フラワーガーデン【アリシア編】
「ごめんなさい!先生!」
「アリシア?」
「私がエド達を惹き付けておくから、その隙に先生、逃げて!」

シートの手摺に手を掛けると、立ち上がるタイミングを図った。
動揺が全身を震わせる。

エド達に捕まったら、きっともう自由に外に出ることは出来なくなるかもしれない。

ごめんね
ジョージ

ところが先生は、立ち上がろうとする私の肩を引き寄せ、シートに押し戻す。

「落ち着くんだ。アリシア」

「離して。エドのところに行くわ。先生は……」

「捕まったら、君の願いは叶えられないかもしれないんだよ?」

「大丈夫!捕まっても、エドの足を踏んづけてでも逃げるわ!私、彼の足を踏むの得意だもの!」


先生は一瞬、吹き出しそうになりながら咳払いをして堪えたようだった。


そして、体を起こして手を差し出すと、私の髪に手を通し束ねると体ごと窓際に押さえつける。


「ジョージに会うためだったらどんなことでも我慢できる?」

「もちろんだわ!」

「……そう、分かった。日本の数字の数え方は?覚えてる?」

「えっ?ええ……」

「優秀。ひー、ふー、みー、よーでカウントを。10秒だけ我慢して」



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