フラワーガーデン【アリシア編】
「こんな時間に、何をこそこそやってるんだい?オニイチャン達。……いや、そっちの金髪は女か?」

玄関の扉の横、フロントデスクの下、木の陰からわらわらと数人の男達が出て来た。


しまった!

マッカーシーの手の者が残っていたのか?!


「アリシア、僕の後ろに!」


後ろ手にアリシアを隠そうとしたが、アリシアがいない。


「アリシア!」

「きゃーーー」


アリシアの悲鳴に、更に右後方を振り向くと、一人の男の腕の中にアリシアがいた。


「兄貴!やっぱ、こいつ、女だぜ」

「なるほど、な。並みの美貌の持ち主じゃないと聞いたが……。
こいつは間違いなくアリシア・ヘイワーズだろうよ」

「この女をマッカーシーかヘイワーズに差し出せば懸賞金の10万ドルは頂きだな」


違う!

こいつら、この辺のゴロツキだ。


男がアリシアの顎に手を掛け、顔を持ち上げる。


「いやっ!」


アリシアがその足で男の足を蹴り抵抗した瞬間、男はかっとなってアリシアの頬を平手打ちした。


「きゃ!」


その瞬間、内から込み上げる怒りと憎悪に体が震えた。




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