直線の距離ー偶然の再会ー
大事な話はここで
火曜日、約束の日。



帰りのHRが終わってすぐ、荷物をまとめているとふっかに呼ばれた。


「今日だろ?うまくやれよ。」


ふっかに後押しされ、力強く頷いて学校を後にした。




会う約束をした場所は前になぁちゃんときた喫茶店。


俺の方が先に着いたようで、まだ彼女の姿は見えない。
しばらくしても来ないからソワソワする。



それから少して息を切らした彼女が店に入ってきた。



「どうしたの?なんかあった?」

「ごめん、ちょっと迷っちゃって…(笑)」



俺の知っている彼女も方向音痴だった。
変わってないな。


懐かしい思い出に口元が緩む。



「笑わないでよー!」



彼女は少し顔を赤らめた。


「ごめんって。まぁ、ゆっくり話そうよ。ね?」



頷いた彼女と席まで移動して、椅子を引いてあげる。



「優しいの、変わらないね。モテるでしょ?」

「全然!優しすぎるのも困りものかも?」



おどけて笑ってみせた。

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