時にはケダモノくんなのです
「どこがいいわけ?」
少し低くなった声で聞く遼は壁に寄りかかる。
聞いたところでいい反応しないくせに…
「すごく優しい人なの」
そう。
五十鈴君は気はちょっと強めなタイプだけどとても優しい人。
遼だって中身を知ればきっと仲良くできる。
「へぇ…
あいつは遼佳の何を知ってんの」
ムッとした顔で私を見る遼の顔は幼い子供が拗ねたようなそんな表情。
困った弟………。
「俺の方が小さい時からずっといて遼佳のこと知ってるし…
ほんと遼佳って見る目ない」
そう言って遼はスタスタと自分の部屋へと向かってしまう。
「ちょ…ちょっと遼…!」
呼び止めても全く私の声に反応しなかった遼は相当拗ねてしまった様子…。
「どうにもできないじゃん…」