猫柳の咲く季節に


さて、私も、大切に思う相手にちゃんと話してこなきゃな。


「じゃあ、行ってくるね、しおり」


「うん…!頑張って」


その日最後の授業が終わり、しおりに見送られながら、かばんを持って駆け出す。


向かう先はそう、あの公園。


私たちの始まりの場所だ。


7年前、小学3年生だったころの、何もかもが詰まった思い出のところ。


きっと、拓海は忘れてない。


そう思うんだ。


幼なじみだからね。

< 337 / 514 >

この作品をシェア

pagetop