猫柳の咲く季節に



食べ終わって、一息ついたところで、入谷くんのスマホから音が鳴った。


どうやらメールだったみたいで、画面を開くなり、顔をしかめた。


「ごめん、永瀬!ちょっと呼び出された!俺、行かなきゃ」


焦って、慌てて席を立つ入谷くん。


「いいよ、行って」


「いや、でも…」


「私は、大丈夫だから」


入谷くんは財布から千円札を2枚取り出した。


< 90 / 514 >

この作品をシェア

pagetop