自殺列車
それはあることないことおかまいかしに書かれていて、クラスを飛び出し他の学年からもひどい批判を書かれるようになっていた。


本人であるあたしはサイトを確認することもできずにいたから、それはとどまることを知らなかった。


いつの間にか隠し撮りをされていた写真を公開され、その写真には《キモイ》《シネ》という罵倒がいつくもコメントされてしまった。


それに気が付いたのは、あたしがスマホに機種変更をした時だった。


学校の裏サイトがあると人づてに聞いて探して当ててみると、もう自分だけではどういようもないくらいにひどい状態になっていた。


ここまで好き勝手書かれていて今まで気が付かなかったなんて、自分がおろかすぎて何日も涙は止まらなかった。


友達がどんどんあたしから離れて行った理由も、これでわかった。


あたしは最初、担任の先生に相談をした。


先生はあたしのためにサイトの利用方法について話し合う時間を作ってくれたけれど、学年を超えて悪口を言われているためあまり効果はなかった。


ただ救いだったのは、学校では孤立しているというだけで特に何かを仕掛けてくるような事がなかったことだった。


1人で教室にいる時間は苦痛以外のなにものでもないけれど、その時間さえ過ぎてしまえば大丈夫だった。


そこまで思い出した時、旺太の心配そうな顔が見えた。


「穂香、どうした?」


「う、ううん。大丈夫」


あたしはそう言い、左右に首を振る。


過去を思い出すと、今が見えなくなってしまうのかもしれない。


愛奈の時もそうだった。


あたしたちが目の前にいるのに、見えていなかった。
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