自殺列車
親友~旺太side~
気が付けば、俺は河川敷に立っていた。


目の前に広がる河と大きなグラウンド。


そのグラウンドでは藍色のユニフォームを着たチームと赤色のユニフォームを着たチームで野球が行われていた。


俺の目は視線と藍色のチームへと向けられる。


あのユニフォームは松木高校野球部のユニフォームだ。


安田が何度も袖を通し、ドロドロになって練習していた場面が思い出される。


「今日は練習試合だったのか……」


呟き、広場へと足をすすめる俺。


計18人の野球部たちが真剣な表情で守備位置に付いている。


俺はまっすぐにバッターの方へ向かって歩いていた。


藍色のユニフォームを着た安田がピッチャーを睨みつけるようにしてその場に立っていた。


何回見ても、この時の安田はカッコイイと俺は思う。


普段はふざけたキャラクターをしているけれど、野球になると途端に変わるのが安田だ。


本気でプロを目指していると聞いた時、目の色が変わる理由もわかった気がした。
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