海色の恋、甘い時間
「なんだかとっても……」
「は、恥ずかしい、から……」

俯いた顔を少しだけ上げて、小さな声でそう漏らすうみちゃん。
わたしの方が小さいから、普段は見ることが出来ない、赤い顔で上目遣い。
すっごい可愛いっ!

わたしがもし男の子だったら、うみちゃんのこの表情で、イチコロだと思う、うん。
あ、黄原君は実際イチコロなんだ。

「ダメだよ? うみちゃん。
わたし達親友だよ?
恥ずかしいからって、隠し事ナシなんだからね?」

何があったの?
と、わたしはうみちゃんに詰め寄った。

う、と少し後ろに仰け反りながらも、うみちゃんは言葉を発した。

「キス……した……」

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