1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「あきくん、聞いてもいいですか?」

「何を?」

 帰り道、あきくんはいつも私を家まで送ってくれます。
 なので、隣にいるのが当たり前で、何となくそれが恥ずかしいと思う今日この頃です。

「バイトって何してるんですか?というよりいつの間に…」

「え?あぁ、言ってなかったか。新聞配達だけどな」

「え、朝早くない!?」

「だからできるんだろ?ちょうど終わっていったん帰って家出たらちょうどいいしな」

 あきくんは少しびっくりした顔をしていました。

 あれ、私何か変なこと言いましたっけ?

「ため口」

「え?」

「自然に出たってことは、ちょっとは慣れてくれたってこと?」

「…な…ななな!!?」

 嘘!?いつの間に…あきくんにため口なんてほんとに出ないのに!!

 な、慣れたって…私は慣れたらため口になるのかな?

「わ、わかんないです」

「ま、自然な蓬が1番だから」

「ッ…キザ男~!!!」

 最近よく遊ばれている気がします。
 ムカッてするのに!なのに、なんでこんなに心はドキドキするんだろう…。
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