1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

 お母さんはかわいい服をくれました。

 ちょっと露出が高いのは、多分気のせいです。
 たぶん…。ううん…。

 お父さんが微妙な顔をして、あきくんに限っては視線を思いっきりそらしていました。

 それをみた俊也さんがまた絡みだして、慌ててあきくんを保護しました。油断も隙もない…!

「蓬」

「え?…えぇ!?あ、あきくんお互いになしにしようって決めて…」

「お前だってケーキくれただろ」

「でも…」

「っよ、男前!」

「よも、もらっときな。秋空くんも面子立たないよね」

 剣人さんと紅葉さんの茶化しに、あきくんが顔を赤くしてしまいました。

 あきくんがくれたのは、水族館のチケットで、ちょっと酔っぱらった剣人さんが茶化して茶化して…。

 また2人で行こうって、その場で約束してしまいました。

「もう、2人とも付き合っちゃえばいいのに」

「「え?」」

「秋空くん、あいさつに来るの待ってるからねぇ」

 お母さんの言葉にあきくんの顔はもっと赤くなってしまって、私までつられて赤くなってしまいました。
< 256 / 523 >

この作品をシェア

pagetop