1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

 ぼんやりと空を見上げる。青く澄んでいて、いっそ清々しいくらいですね…。

「ッ蓬!!」

「ッ!?」

 耳を貫いた声は、1番聞きたくて、聞きたくなかった声。

 振り返らずに逃げ出そうとしたけど、後ろから抱き締められて動けなくなる。

 振りほどこうとしても、全然敵いませんでした。

「…あ、あきくん…」

「…なんで、黙ってたんだよ。ふざけんな!!」

「…ごめん」

「…ほんとに、行くのかよ。なんで、ため込んでんだよ」

「ごめんなさい」

「ッごめんって言うなら、ちゃんと言えよ!!」

 ぐるっと視界が回る。

 目の前に、あきくんがいて…。泣いてた…。

 また、泣かせたんだ。
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