1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

ムカつく奴ら 俊也side

*****

 俺が初めて高校に足を踏み入れたのは入学式から3か月後の7月だった。

 しかも、期末テストの直前という無茶苦茶なタイミングで。

 なんでこんなことになったかというと、4月からヤバい奴らを相手にケンカを…。

*****

「早速嘘ついてんじゃねぇよ!!」

 容赦のないひじ打ちが腹に決まる。…っつてぇ!!!

「開始20秒で嘘つくか?あ?てめぇの脳みそは腐ってんのか!」

「ひじ打ちすんなって言ってんだろ!!」

 いってぇ。これが仲間に対してやるひじ打ちかよ!

「え?嘘?どこが…」

「ケンカじゃなくて、俊也さん間違えて中学に通い続けていたんです」

「は?」

「よもぎ!ばらすなよ!」

 俺の人生最大の醜態を…!!

 秋空は意味が分からねぇって顔してるし!あぁ、俺のメンツが…。

「え、どういうことですか。それ…。」

「そのまんまの意味だよ。俊也中学3年のクラスに紛れちゃってて、誰1人気づかなかったらしくて」

「え、でも席は…」

「たまたま3年間ずっと不登校の人がいて、その人の席が空いていたので、余計に」

 颯人とよもぎによってあっという間にばらされた。

 くっそぉ、秋空にだけは隠しときたかったのに…!

 わざとらしく肩に手を置いた剣人の手を振り払った。
< 426 / 523 >

この作品をシェア

pagetop