1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)
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「つえぇやつ、いねぇかなぁ」

 何せ3か月も遅れて入学したわけだし、ここはいっちょ、有名になって学校中に俺の名前を知らしめてやんねぇとな!

 意気込みながら学校の門をくぐる。でも、俺の周りを歩くのはなんかよわっちそうな奴らだけ。

 っけ、いないのかよ。この学校の番長的な奴!!

「清牙、おはよ」

「お~、颯人早くね?」

「清牙だって早いよ。剣人は?」

「あいつはもうそろそろ来るんじゃねぇかなぁ」

 そう思っていた俺の視界に飛び込んできたのは、なんか強そうな奴!!

 よし、あいつをぶっ倒して、有名になってやる!!

 右手に握り拳を作って、駆け出していく。まだ気づいた様子はない。もらったぁ!!!

「清牙、颯人、はよ」

「ぎゃう!?」

 い、いったい何が…。ってぐえっ重い!!

「剣人はよ」

「おはよう…。剣人、なんか踏んでる」

「あ?」

 何のんきにあいさつしてんだよ!!

 俺のこと踏みやがったそいつは、今気づいたと言わんばかりの顔で俺を見下ろした。
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