1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「きゃぁああああ!!!朔夜様たちよ!」

「朔夜様~!」

「輝星様~!!」

「凪様~!!」

「焔く~ん!!」

 やっぱり、こうなっちゃうんですよね。

 少しだけ見えた気がした朔夜さんたちの姿は見えなくなってしまいました。

 アイドルか何かでしょうか…。一瞬で昇降口がごった返しています。

「雷斗くん、どうしましょう」

「どうしようね。…後で倉庫で会えるけど、なんか学校は学校であいさつしたいよね」

「そうですよね。せっかくささやかですがお花も用意しましたし」

 卒業式が終わってから、すぐに解散になることをいいことに近くのお花屋さんまで走った雷斗くんと私。

 小さいですが、お花を買ってきて急いで戻ってきました。

 この熱、冷めないですよねぇ…。

「突っ込む?」

「雷斗くん、命の危険を感じるのでやめましょう」

「そうだね。…それにしても、総長たちやっぱすごいなぁ」

 雷斗くんの視線はまだ憧れのような光が強い。きっと、憧れが続くんだろうな…。
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