1人ぼっちと1匹オオカミ(番外)

「秋空くんいらっしゃい。最近来ないから寂しかったのよ?」

「すみません…お久しぶりです」

「テストか何か?」

「いや、バイト始めたんで」

「え、バイト?生活費?」

「まぁ、そんなところです」

 ママは咲ちゃんを抱っこして、こっちに来た。
 あきら兄ちゃんとお話してるけど、ぼくはそれよりママに抱っこしてもらってる咲ちゃんが気になった。

「ご飯くらい食べに来なさい。1人分くらいあんまり変わらないから」

「いえ、それは」

「あら、将来のお母様に逆らっていいのかしら?」

「ッ…」

「お母さん、いつからあきくんのお母さんに?」

「…よも、あんたはほんとに天然ねぇ」

「天然記念物…」

「あきくん、それは悪口でしょうか」

 ねーねがちょっと怒ったけど、あきら兄ちゃんはけろってしてた。
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