何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「まぁまぁ落ち着けって」

「離せと言っているのが分からないのか」



穏やかな笑顔を浮かべる五十嵐さんに恐ろしい顔で睨む拓哉さん。


そんな2人を見ながら私は息を呑む。


元はと言えば私が撒いた種なのだけど……。
どうしたらいいか全く分からない。


アイディアが浮かばずただ黙っている事しか出来なかった。



「ったく……初対面の人間を睨むんじゃねぇよ。
それに……年上は敬うもんだぜ?」

「人の女に手を出すような奴を敬う訳ない」

「ははっ!
まぁ言えてるけどな」



五十嵐さんの呑気な笑い声が静かな空間に落される。

それが拓哉さんの怒りを更に大きくしていく。


これ以上、拓哉さんが怒る前に何とかしなければ。
私は恐怖で支配されながらも口を開く。



「拓哉さん……違うんです。
わ……私が五十嵐さんにぶつかってしまって……」

「ぶつかっただけなら話す必要はない」



必死に紡いだ言葉が拓哉さんにより消されていく。
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