何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
幸せの時間
年が明けて早1ヶ月。


私は何でも屋の一員として働いていた。
遥斗とレイヤ、そして私。


3人で沢山の依頼をこなしていくのは本当に楽しかった。


カオルさんは情報屋らしくて偶に一緒に仕事をする事があるくらいだ。



「それにしても……私の情報を集めたのがカオルさんだったとわね……」

「またその話かよ……」



バツが悪そうな顔をしながら遥斗は私から顔を逸らす。


今は何でも屋の事務所でのんびりとしていた。
依頼がなく、待機状態な為、堂々とサボれる。



「だってさ……『俺に調べられない事はねぇ』とか格好つけた事言ってたくせに……」



私の脅しのネタの1つであった個人情報の殆どはカオルさんが調べ上げたらしい。
それをあたかも自分で集めたかの様に言っちゃって……。
ハァッとタメ息をつけば遥斗はふっと鼻で笑った。



「まぁ俺がその気になれば何でも調べられるさ。
お前の“イイ所”だってちゃんと知ってるしな」



ニヤリと笑う遥斗に腹が立った私は机の上に置いてあったティッシュの箱を遥斗に投げつける。


それと同時にコンコンと扉が叩かれる音がした。
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