何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「どうしてキミは……。
俺がキミと五十嵐を引き裂いたのに……。
愛し合うキミたちを無理やり……」

「私は……。
後悔なんてしていません。
遥斗を好きになった事も、拓哉さんを選んだことも」



ふぅっと息を吐き空を見上げる。

青くて綺麗な空が私とお義兄さんを包み込んでいた。



遥斗とお義兄さんと私。


偶然か、運命か
それは分からないけど私たちが出逢った事に変わりはない。


奇妙な3人の物語にココで終止符を打つ。



「お義兄さんは自由に生きてください。
遥斗なら……貴方を自由にしてくれる」

「梓沙ちゃ……」

「2人が笑顔なら……私はそれで十分です」

「待って梓沙ちゃん!!」



引き止めるお義兄さんの声を背に私は歩き出した。


私が出来るのはココまでだ。
これから先……どういう人生を歩むかはお義兄さん次第。


私は願います……。
貴方が幸せになれる事を……。
柊家の操り人形としてではなく、柊 和哉として生きていける事を……。


そして……。


私がこの世で1番に愛している人を……
心の底から笑顔にさせてくれる事を……。
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