男の秘密
初めての彼氏
朝、心地よい布団の中で目を覚ました。

『あれ?ここどこ?』

見知らぬ天井を見上げてぼんやりと考える。

『確か昨日・・加藤君と羽奈とで会場探しに行って・・・!?』

昨日の出来事を思い出し、飛び起きた。

『ここ・・・忍さんの家だ』

忍の部屋だと確認するように部屋を見渡してみる。

木目綺麗な壁に、木の温もりが感じられる寝心地の良い大きなベッド。

寝具もシンプルだが、さわり心地の良さから高級なもだと分かる。

寝室も広いがやはり、ベッドとサイドテーブル以外の家具がない。

多分ウォークインクローゼットがあるのだろうが一見何処にあるのかも分からない。

暫く室内を眺めていたが、今の状況を思い出し、慌ててベッドを降りた。

ドアを開けると、通路が有り、右の突き当たりにドアが一つ、通路を挟んで前にも部屋があった。

左を見るとそちらにも幾つかのドアが見える。

右のドアは見覚えのあるドアだった。

『たしか、リビングにあった扉よね?』

扉近くまで行くと、微かにコーヒーの匂いと、人の気配がした。

恐る恐る空けると、ドアの開く音に気づいた忍が振り向いた。

「おはよう・・ございます」

恥ずかしくて声が小さくなってしまった優に、優しく笑いかける忍。

その姿を見て、ホッとした。
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