永遠の時空を刻んで
無題
俺は休暇の日を使って高崎に来た
信越の130回目の誕生日
記念の日だ
なんでもなくふらふらと高崎に来て、SL碓氷に乗った
周りの住民が手をふっている
「あぁ、愛されてんだなぁ」と思った。
何で乗りに来たのかはわからない
でもひとつだけ確かなことは「信越がどのように走ってるかを見に来た」それだけだ。
意外とこの列車に乗ってたりして。
とか思いながらガタゴト陸蒸気に揺れる。
途中の磯部で降り、駅員に今信越がどこにいるか聞くことにした。
「スミマセン。チョッといいすか?」
「はい」
「今信越、どこにいるかわかります?」
「えっと」
「あっ、俺高崎です」
「ああ!高崎さんですね!お話は信越さんから伺ってます!今の時間なら多分新潟じゃないでしょうかね?」
「あぁ、有難うございます!」
「いえいえ、こちらこそ!引き続き楽しい列車の旅を!」
次に来た普通列車に乗り込んだでボックスシートに座った。
「信越線」と呼ばれている区間しか見ていない高崎は、いつか「信越本線」と呼ばれている区間も見てみたいと思った。
全てを知らないと仲がいいなんて、友達だなんていえないと思った。
こんなに楽しそうに走り続ける列車を見ていると、信越がどんな気持ちでここを走っているのかが分かる気がする。
「次は終点、横川です 今日もJR東日本を…」
そうか。ここで切れるんだった。
信越は自分に乗ってくれる人たちのために横川で切れるのだ。104年間ずっと碓氷の峠を繋いでいた彼にとって「新幹線が出来たがら」といきなり横川で切れるというのは、どういう気持ちなのだろうか。

ホームで使われていない雑草まみれの線路を見つめながら高崎は泣いていた。
「なに泣いてんだ、俺…」
信越は俺の走らなかった所を走っている、やはりこれから先の路線もみてみたい、という気持ちが膨れてきた。
「おーい信越ぅ!負けんじゃねぇぞ!」
信越は高崎と北越の思いを背負い、今日もこれから十年、百年と歴史を紡いで行く…。
END
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