金髪子犬がじれったい!



自分の耳を疑った。
実際、数秒の間は何を言われたのかわからなかった。
男子の自己紹介が終わり、誰も面白みのある自己紹介を期待していなかったせいか、みんな爆笑している。



こんなところに罠があるとはー。
犯人は梨々香だった。
昨日カフェで盛り上がりすぎて、私をてっきりそういう人だと思いこんだらしい。

「見ての通りです!あとはご想像で!!」


言った。

クラス全員が、先程までたいしてこっちを見ていなかったくせに、梨々香の一言で一気に注目が集まる。

冷たい返事をして流しても良かった。
でも、つまらない娘と思われたくないと一瞬考え、思わずのってしまった。
例え好みの人がここにはいないとしても、私はもうかわいい女の子扱いはされないだろう。



顔が少し熱くなるが、まぁいいだろう。
どうせ素はすぐばれる。

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