金髪子犬がじれったい!


しーっ!



視界が一気に暗くなる。

肩が温かい。




松田さんは急に私の肩を抱いて、裏に引っ張る。


驚きで息がつまった。






すぐに温かい手が離れて、松田さんは唇に人差し指をあてる。



「今日は忙がしいからね、逃げてきちゃった」



いたずらっぽく笑う顔は、私より年下にも見えてしまう。



逃げてきちゃったって…と、クスリと笑ってしまう。



「なんだよー、たまにはいいじゃんー」


「あ~あ。松田さんいないから、みんな大変そうだったなぁ。」



自然と、少しだけ意地悪な言葉が出てくる。



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