鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集
路地から曲がって、学校前の大通りに着いた。
校門横には、大きくて立派な桜の木が1本、この高校のシンボルかのように、そびえたっている。
「あ、桜!
綺麗に咲いてるね!
近くに行って、見よ?!」
早く、と、美空は駆け出した。
あ、運動神経も鈍い癖に、そんな突然走ったら……!
「わっ……!」
「ちょっと、美空!」
注意しようとかけたわたしの声より先に、バランスを崩して転びそうな美空。
ああもう、あのうっかり娘は!
入学早々ケガして、新しい制服も汚すつもり?!
わたしは慌てて駆け寄ろうとした。
あ、転ぶ……!
間に合わないっ!
校門横には、大きくて立派な桜の木が1本、この高校のシンボルかのように、そびえたっている。
「あ、桜!
綺麗に咲いてるね!
近くに行って、見よ?!」
早く、と、美空は駆け出した。
あ、運動神経も鈍い癖に、そんな突然走ったら……!
「わっ……!」
「ちょっと、美空!」
注意しようとかけたわたしの声より先に、バランスを崩して転びそうな美空。
ああもう、あのうっかり娘は!
入学早々ケガして、新しい制服も汚すつもり?!
わたしは慌てて駆け寄ろうとした。
あ、転ぶ……!
間に合わないっ!