鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集

言われてみれば、不思議(立花美空)

お昼休み。
今日はあたしがパンを買いに購買へ、瀬田がドリンクを買いに自販機へ行く約束だ。

えぇっと、瀬田はツナサンドかカレーパンがいいって言ってたっけ。
あるといいな。
あたしは何食べよっかなぁ。

「立花、喉乾かない?」

「ん?」

購買のパンを思い浮かべながら歩いていると、声をかけられた。

「ほらこれ、あげる。
飲んでいいよ」

隣のクラスの……。
ええっと……。
塩……。
塩、咲……?
あ、違うかな? 塩、崎君?
う、うん、多分そんな感じな名前の人。
時々話しかけてくれる男子だ。
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