鈍感ちゃんと意地悪くんの短編集

100%でも足りない?(高橋)

移動教室から、普段の教室に戻る途中の廊下。
クラスメイトの瀬田が、目の前を一人で歩いていた。

「おーい、瀬……って、んむ?!」

声をかけようしたところで、隣の委員長の手で口を塞がれた。

何すんの? と目で訴えると、委員長は小声で
「見てみろ、邪魔しちゃ悪いだろ」
と、瀬田の隣を指差した。

「瀬田君!」

「なんですか、先輩」

瀬田を呼び止めたのは、1つ上の女子の先輩。
瀬田の隣で、緊張した面持ちでで俯いている。

え、何?、あの超緊張してる感じ。
しかも顔赤いし……。
って、え、これってもしかして……?
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