さくら、ひらひら。

18歳、春。

三年生になった。
あの時、結果として流されるようにそのまま私立コースへと進級することにした私は、また梓と同じクラスになった。
そして、よもやの小泉くんまで同じクラス。

三年生に上がる始業式の日に「先輩に振られちゃったよ」と少しすっきりした表情で私に告げる梓の顔を見ると、なぜだか小泉くんの顔が頭をよぎった。


報われない恋をしているのは、私の方だ。
梓を憎むこともできず、小泉くんを嫌いになることもできず。

ただ、あのから日と同じ。
ここから動けないだけ。
誰にも言えない、報われない思いを抱えながら。

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