婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
「あー なんで あんなこと言っちゃったんだろう…」
次の日のお昼休み、私は食堂で頭を抱えながら
ため息をついた。
「そんなに後悔すんなら、風呂くらい一緒に入ってやればよかったのに…。処女じゃあるまいしさ… いくら記憶ないって言ったって正真正銘おまえの旦那なんだからさ…。」
向かいにすわる松井くんが、呆れたように言った。
「そうなんだけど なんか虚しくなっちゃったんだよ…。どうせ 圭司は、裸で私とお風呂に入ったって、ドキドキさえしてくれないんだろうなって…私のこと女として見てもくれてないのに…夫婦夫婦って言われて…」
「んで… 旦那 結局どうしたの?」
「えっ うん…『そうだよな ごめん』って言ってひとりでビニール巻いて入っちゃた。」
あの時の圭司は、すごく傷ついた顔をしていた…。
シャワーから出た後は、普通に接してくれていたけれど…。
謝りたかったけれど、結局 タイミングを逃したまま仕事へと来てしまった。
「ふーん なんか こじらせてるな…。でもさ
本当はただ おまえと入りたかっただけじゃねーの? ご飯も洗濯もひとりでできちゃってたんだろ? おまえの旦那 ケガしてないおまえより器用そうじゃん!」
「うっ まあ 確かに器用だけど…でも 私と入りたいとかそんなんじゃなくて、ただ 一緒に入っちゃえば効率的だと思っただけだよ。」
ついでに入っちゃえば?って…すごく軽い感じだったし。
「でもさ そんなにため息ばっかついて後悔してんなら、さっさと謝っちゃえよ…。」
「うん 分かってる…。」
ちゃんと 分かってるよ
結局 私の八つ当たりだって…。
記憶の無い人に、もとのように愛してくれなんて、ムチャなこと言っておいて…思い通りにならないからって全部圭司の性にしてるんた…。
圭司だって、努力してくれてるのに…。
こんな私じゃ いつまでたっても好きになってもらえないよね…。
ごめんね 圭司
もう一度 チャンスを下さい…。