protect you〜守るべきもの〜



悲しそうな榊の視線を振り払うように、顔を背ける。


ふと目を向けたフェンス。


赤く、血に染まっていて、ドクンと心臓が冷たく脈打った。


頭を振ってもう一度見ると、それはただのフェンスだった。


安堵の息が自然と吐かれる。


幻覚、か……。


...これだから、話したくなかった。


言葉にしたらあの記憶が蘇ってきそうで、怖かった。


榊と銀髪も、案の定気まずそうな顔つきになってるし。


...もう、こいつらと関わるのはやめだ。



「これだけ聞けば分かったろ。
俺は、自分を弱くする仲間なんかいらねぇ」



そう言って踵を返そうとすると、肩をガシッと掴まれた。


……この感じ、銀髪野郎か...。


骨が折れそうなくらい強い力に顔をしかめながら振り向く。


何を言われるのかと思っていると、発されたのは意外な言葉だった。



「歩、何も知らねぇのに色々言って悪かった」


「え……あ、あぁ...」


「けどよ。
お前、このままずっと過去に縛られて生きていく気か?」


「……何?」


「お前はこの先、復讐だけを目的に生きんのかっつってんだよ!」



...は?

なんでお前が怒るわけ?


意味分かんねぇ。


怒られる筋合いなんか、ねぇんだけど。



< 147 / 195 >

この作品をシェア

pagetop