それだけが、たったひとつの願い
年末に食材を買ってきて、少しはお正月らしくしようと昨日簡単なお雑煮を作った。
ジンに「食べる?」と聞いてみたところ、目を輝かせて喜んでいた。
今朝になってもまだ残りを食べると言い出し、今現在おかわりまでしようとしている。
「ずいぶんお雑煮が気に入ったのね。珍しいとか?」
「珍しいというより懐かしい。昔、母さんが作ってた雑煮もこんな感じだった気がする。汁が透明で、餅が入ってた」
そうか、ジンのお母さんは日本人だった。
もう十年以上前のことだけれど、お母さんはお正月には日本式のお雑煮を家族にふるまっていて、ジンはその味をかすかに記憶しているのだろう。
「ところで家に帰らなくていいの?」
不意にそう尋ねると、ジンは笑って私と視線を合わせた。
「家に帰る必要性がよくわからない。ショウくんはまだ日本に帰って来てないし、家にひとりでいてもつまらないから」
年末にジンとショウさんは一緒に台湾に戻って仕事をし、それを終えるとジンは日本に戻ってきたけれど、ショウさんはその後も大みそかまで別の仕事だったらしく、お正月もそのままあちらで過ごしているのだそうだ。
ジンに「食べる?」と聞いてみたところ、目を輝かせて喜んでいた。
今朝になってもまだ残りを食べると言い出し、今現在おかわりまでしようとしている。
「ずいぶんお雑煮が気に入ったのね。珍しいとか?」
「珍しいというより懐かしい。昔、母さんが作ってた雑煮もこんな感じだった気がする。汁が透明で、餅が入ってた」
そうか、ジンのお母さんは日本人だった。
もう十年以上前のことだけれど、お母さんはお正月には日本式のお雑煮を家族にふるまっていて、ジンはその味をかすかに記憶しているのだろう。
「ところで家に帰らなくていいの?」
不意にそう尋ねると、ジンは笑って私と視線を合わせた。
「家に帰る必要性がよくわからない。ショウくんはまだ日本に帰って来てないし、家にひとりでいてもつまらないから」
年末にジンとショウさんは一緒に台湾に戻って仕事をし、それを終えるとジンは日本に戻ってきたけれど、ショウさんはその後も大みそかまで別の仕事だったらしく、お正月もそのままあちらで過ごしているのだそうだ。