政略結婚に隠された真実
「げッ!なぜッ!?」

愛梨は眉間に皺を寄せ、思いっきりイヤ~な顔をした。
なんでそんなことを知っているのかって顔してる。ホント思っていることが顔に出るなぁ~。
そして、ここで追い打ちをかけるっと。
俺はニヤッと笑った。

「今日の朝のエントランスでの出来事、面白いことが起きたね」
「ッ!!」

愛梨はキッと目を吊り上げ叫んだ。

「私がイライラしてる理由、・・・知ってるんじゃないですかッ!!」


ムキー!っとなってる愛梨を見てますます俺は笑った。


「朝からあんな所でド派手なことして、この俺が知らないと思う?そうじゃなくてもこの話は本社中広まってるから、直接見てなくても分かるよ。ただし、尾ひれはひれ付きで」

くつくつ笑いながら、愛梨をからかった。

愛梨は予想通りに「私だって好きで目立った訳じゃありませんッ!」とキーキー怒りまくった。
やっぱり愛梨をからかうのは面白い。


ふと机の上の大量なお菓子たちに目がいき、その山を指さして言った。

「それにしても愛梨ちゃん。この貢物の山はどうしたの?」
「あ、これですか?私、月曜日の午前中は秘書室勤務じゃないですか。で、朝のことを馬鹿うましかグループにいろいろ言われたわけですよ~。で、それを見たのか、予想していたのかわかりませんが、差し入れをたくさんもらったのですッ!!新発売のデザートもあったりでラッキーです♡」

テンションが上がったのか嬉しそうに言っていた。


その中にある紙を見つけた。
俺は手を伸ばし、たくさんのお菓子にいくつか貼ってあるメモや付箋を手に取った。


【いつも可愛い笑顔が素敵です。一緒にご飯でも行きましょう】
【馬鹿うましかに負けず頑張れ!何かあれば頼ってきてね】
【好きです。いつもいろいろお話をしたいと思っています】


・・・これは愛梨は見てない・・・よな?
愛梨が見てない内に破棄しておかなければ。愛梨に変な虫が付かない様に目を光らせとかないとな。


たくさんのお菓子やデザートに夢中で、幸せそうに笑っている愛梨を横目で見た。
う~ん、こいつには餌付けが一番かもな・・・。
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