ツケマお化けに恋して
やっぱり辰次郎さんとこの人はそういう関係だったんだ…

辰次郎さんは本当はオカマとかそんなんじゃないと思っていたけど……

やっぱりそっちの人だったんだ……

私の思い込みだった。

「あの人が僕の元から消えてからずっと探していたんです。…あの人が居ないと僕はダメなんです。僕一人じゃ……出来たらあなたから戻る様に言ってもらえませんか?お願いします」と彼は真っ直ぐ私の顔を見て懇願する。

「……私明日から暫く実家に帰るので杉下さんには暫く会わないと思います。……すいません…」

「そうですか?いえ…こちらこそ…すいません…」

彼は悲しそうな顔をして帰って行った。

あんな顔されてもねぇ私には何も出来ないし…

言えるような立場じゃないから…

てか…辰次郎さんがそっちの人って再確認して凹んでるの私の方なんですけど…


「はぁ…お風呂に入って心も体も温めよう」


お風呂のスイッチを押し鞄からスマホを取り出す。


「あっお母さん?明日帰るから」


『えぇー帰ってくるの?一緒に年越ししてくれる人居ないの?!』


そんなにあからさまに嫌がらなくても…


「……都合悪いの?何か予定入ってるの?」

『予定って予定は無いけどねぇ…面倒じゃない?一人なら寝て起きて好きな時に好きな物食べてればいい訳じゃない?でも、あんたが居たらさぁそんな訳にもいかないし、若い男の人連れ込めないし…ハァー仕方ないかぁ帰って来てもいいよ』

このバァバァ何が若い男の人だぁ?

何が仕方ないだぁ?

普通娘が帰って来るって聞いたら喜ぶでしょ?

ハァーってそのため息は?

なに面倒臭がってるのよ?!


「じゃ明日帰るからねじゃ!」









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