秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
エスカレーターで2階まで降り、店内の奥にあるカフェに入った。

店先にはショーケース。
ショーケースの中身は自家製のケーキや焼き菓子が綺麗に並んでいる。

「ケーキセット…600円って安いですね」

「ケーキ食べるの?」

「ダメですか?」

「別にいいけど・・・」

穏やかなムードが溢れる店内。

私達は奥の二人掛けのテーブルに座った。

店内は満席。私達以外は皆女性ばかりで、各々客席からは楽しそうに声が聞こえて来る。


「男は俺だけか・・・」
麻生さんは少し躊躇った様子で辺りを見渡す。

「緊張します?」

「別に・・・」

麻生さんは軽く息を吐いて頬杖を付き、ジッと壁に飾られた花の絵を見つめた。


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