ライ・ラック・ラブ

帰り際、「社長の許可は取ってる」と小原さんから言われて、私はまた驚いてしまった。
それを裏づけるように、私が小原さんと明日、一緒に晩ごはんを食べに行くことを、父はあっさりと許可した。

「小原君は仕事もできる良い男だ。楽しんできなさい」
「はぃ…」

基本的に父は、自分の社員全員のことを好いているけれど、小原さんのことは特に気に入っているように思える。
小原さんは確か今…32歳。
私よりも8歳上で、先月営業1課の課長になったばかりだと聞いた。
この若さで課長になったくらいだから、やっぱり父の言う通り、彼は仕事ができる人なのだろう。
だから父は、小原さんの仕事の才能を伸ばすべく、目をかけているのだろうと思っていたのだけれど。

どうやらそれだけではないような気がしてきた。

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