ライ・ラック・ラブ
それから2ヶ月程経った後に、日本の系列会社の格式あるホテルで、仲人なしの、略式結納をした。
この日のために、小さすぎて入らなかった婚約指輪のサイズを調整してもらった時、指輪代も父が払ったと知って、私は少し動揺してしまった。

『俺は自分で払うつもりだったよ。でも社長がこれにしなさい、私が払うからって言ってくれたんだ。俺の給料じゃ予算オーバーだって、社長自身分かってるし』

と正さんが言ったとおり、父は婚約指輪代を払ったと認めただけじゃなく、「娘のおまえには、それなりに相応しい指輪をつけてほしいと思う、これは私の親心だ。一生に一度くらい見栄をはってもいいじゃないか」と言った。

結婚というのは、式を挙げて終わりじゃなくて、それからが始まりだと思っている私としては、見栄のはり時が違うような気がしてならないのだけれど…。
とにかく、これは、私たちが払ってほしいと頼んでいるのではなく、父自らが、自分で払うと言ってくれているんだ。
ここは父の言う通り、「好意に甘えて」もいいのかもしれないと、私は自分に言い聞かせた。

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