好きやった。


「……っ、ひっく……」


でも、そんなアイツが好きやった。

他の男友達と分け隔てなく接してくれて、一緒にバスケをやって笑い合えるアイツのことが好きだった。

なあ……ずっと好きやったのに、この気持ちはどうすればええの?

気持ちを伝えてなくても失恋したんやから、さっさと諦めるべきなん?

なあ、どうしたらええの……?


結局ウチはそのあと、留美が来るまでの数分間。

更衣室で一人、後悔とショックでひたすら涙をタオルに染み込ませていた。

朝練の間、腫れた瞼を月島に見られないようにと苦労していたことは、言うまでもない。



 ×××



「……さっぶ」


苦手な早起きも回数を追うごとにだいぶと慣れてきて、目覚まし時計の音を聞けば目は開くようになってきた。

だけどすぐに動けるかというとそうでもない。

特に冬の早朝なんてありえないほどに寒いから、そう簡単に布団から出る気も起こらない。


「……はあ、朝練行きたくない……」


それに加えて今年の冬……というか2週間前から気力を萎えさせる要因が増えたから、朝練のために早く起きようといういう以前のやる気はほとんど失われつつある。


月島が後輩の女子と付き合い始めて、2週間が経った。

変わったことと言えば、学校で月島が彼女と仲良く話しているところを見かけるようになったこと。

学校は同じでも、接点は塾だけだった二人。
そんな二人だけど、付き合い出した途端にどんどん学校でも関わるようになった。


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