カリスマ社長に求婚されました
『嫌い』という言葉に動揺したものの、こちらも売り言葉に買い言葉。

気がつくと、優一さんに対して攻撃的な言い方をしていた。

「結局、優一さんが反対しているのは、私に才能がないと言いたいからでしょ? だけど、私は諦めないから。自力で、ellのショップの店員を目指すわ」

それは、意地で言っているんじゃなく、ずっと思っていたこと。

本当は優一さんに理解してもらうのがベストだけど、応援してもらえないなら仕方ない。

私の息巻いた様子に優一さんはムスッとしたまま、もうなにも言わなかった。

せっかく、ふたりでゆっくりできたはずの日曜の午後は、険悪な雰囲気のまま、お互いロクに会話もせず過ごした。

その原因を作ったのは私で、あんなに想いを伝えてくれる優一さんに対して、心ない態度を取ってしまったと、後悔と反省でいっぱいだった。

だけど、謝るキッカケがつかめないまま、重い気分で月曜日を迎えた。
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