カリスマ社長に求婚されました
まだ見たことのないデザインだし、私がellを好きなことは言うまでもないのだから、他のブランドであるはずがない。

顔が緩んでいくのを感じながら、優一さんに聞くと、彼は首を横に振った。

「新作ではないよ」

「え？ でも、このデザインは見たことないし……。ellの指輪なんだよね？」

「そう、ellの指輪だ。茉奈、ちょっと内側を見てみて」

優一さんに手渡された小箱から、ゆっくり取り出す。

初めて贈られる指輪に、手が震えてきた。

「えっと……」

ellの指輪には、内側に『ell』の文字が刻まれている。

明かりの方に手を伸ばし、内側を見ると確かに文字が見えた。

だけどその横に、『ever lasting love y to m』とも書かれてある。

「ellの文字が入っているから、正真正銘ellの指輪だ。だけどこれは、どこにも売っていないし、売られることもない」

「優一さん、それって……」

英語で永遠の愛、それにイニシャルは優一さんから私へ……？

そう思っていいの？

「永遠の愛を、オレから茉奈へ。茉奈、結婚してください」

優一さんは私から優しく指輪を取ると、左手薬指にするりとはめた。
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