好きって言っちゃえ

航もサッと立ち上がったが案の定、思いっきり秀人の方によろけた。

「うぉ〜っと」

咄嗟に中腰で秀人は航を支え、そのまま航の右腕を自分の肩に回して立ち上がった。

「じゃ、失礼します」

秀人は、酔っぱらって足元のおぼつかない航を支えたまま、光俊に続いて部屋を出た。新入り3人が出て行った部屋には、横並びに悠一、悦子、剣二の3人が残った。

「長く頑張ってくれるといいですね」

と、悠一。

「そうね。…まぁきっと大丈夫よ。皆いい子だもの」

と言いながら悦子はテーブルの上の空いた器を重ね始めた。それを見た悠一も自分の近くの皿を重ね始める。

「あ、いいのよ、悠ちゃんはやらなくても。悠ちゃんも帰っていいわよ。明日も仕事なんだし」

と、悦子。

「大丈夫ですよ、僕はそんなに飲んでないですし」

と、笑顔で悠一は手を動かし続ける。




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