好きって言っちゃえ

夕方、皆が集まっている作業場に悦子がやってた。

「お疲れ様〜」

「お疲れ様です」

「今日は何?」

強めの口調で舞が尋ねた。悦子は掛け時計を見上げて、時間を確認する。

「終業時間終わったから、いいわよね」

「だから何?」

「今日、7時から体育館取っといたからね」

「あ、すみません。会長、ありがとうございます」

パソコンに向かっていた悠一が手を止めて、悦子の方を見て、ひょこっと頭を下げた。

「もちろん、使用料はもう払ってあるから、これ、持って行ってね」

悦子は持ってきたチケットを一番近くに座っている光俊に手渡した。

「あざーっす」

光俊はそのチケットを丁寧に両手で受け取る。

「それとぉ」

「まだなんかあんの?」

「皆、晩御飯はどうするの?」

「どうするって、まぁ7時までは時間があるから食べてから行こうかと思ってますけど」

悠一が答えた。

「ねぇ、もしよかったら、皆うちで食べて行ったら?どうせ一緒に車で行くんでしょ?」

「マジっすかっ」

目を輝かせてすぐにこの話に食いついたのは光俊だった。

「いいんですか?」

遠慮気味に航が尋ねる。

「いいわよ、いいわよ。皆がいいんなら、毎週練習がある火曜日はうちで食べなさいよ」

「え?毎週いいんっすか?」

「いいわよ」

「助かりますっ」

光俊は反射的にチケットを机の上に置き、悦子の右手を両手で取ってグッと握手していた。

















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