猫になりたい。
最初で最後の章。
『お前意味分かんない。』

『え?』

『…意味、分かんない。』

『……』

『お前どっかいなくなりそう、掴み所無さすぎ。』

『別に掴まなくて良いよ。あたしは自由になりたいの。ここは縛られすぎて息が詰まる。』

『…何、それ』

『猫になりたい。そして、色んなとこ旅するの。フラフラって。時には誰かに拾われたりして。』

『…俺は。』

『何?』

『人間でいいよ。お前が誰にも拾われなかったら、俺が飯食わすよ。屋根のある部屋で寝かせてやるよ。お前が気が向いたら帰ってこれる場所になる』

『はは、ありがとう』

『……』

『じゃあ、また帰ってくるから』

『うん』

『その時はよろしく。』

『…うん』










『『大好きだよ』』

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