愛してるなんて言わないで


「えっ⁈結花さんっ⁉

ちょっ、待って着替え中⁉」


私の視界に飛び込んで来たパンツ一丁の翔太さん…。



「えっ?」


思わず、着替え中なのにマジマジと見つめてしまった。



「あっ、おじちゃん起きたのー?」


久しぶりの翔太さんとの再会に、颯太が喜んで飛びつくいた。




「あれ…翔太さん…

重たい病気では?」


「えっ⁉なにそれ?誰から聞いたの?」


話しをしながら、慌てて服を着用するまでを、失礼ながらずっと見てしまっていた…。



驚きすぎて、動けなかったんだ…。



「誰って…

依子が…

翔太さんが重たい病気で食べ物も食べれないで眠り続けてるって…」



愕然としてる私に、着替えを済ませた翔太さんは

「依子のやつ…。」と呟きながら

足元にくっついてる颯太を抱き上げた。



「心配かけちゃったみたいでごめんね。

ただの胃炎だよ。胃炎。

炎症の数値が高くて、親が勝手に入院をお願いしちゃったんだ。」


「胃炎…?」

聞いた途端に、身体の力が抜けて


安心した途端に

ぶわっと涙が溢れて来た。




「翔太さん、騙すなんて酷いわっ‼」


「えっ⁉ちょっ…

結花さん泣かないで?

ってか、騙したの俺じゃないしっっ‼」



「おじちゃんママを泣かせたらだめっ‼」


「颯太までっ⁈だから違うってばー‼」




******************



無事に退院の手続きを終えた翔太さんが

ちゃんと説明するから。と言うので、仕方なく我が家に招きいれることとなった。




「結花さん。まだ怒ってるる?」

「うん。すごい怒ってる」

「でも、騙したのは俺じゃないんだけどね?

ちゃんと、そこは理解してね?」


「…」

何も応えない私に、翔太さんはぺこりと頭を下げた。


「騙してごめんなさい。」


「分かりました…。」


ほっと安心したように顔を上げた翔太さんは

いつになく機嫌が良さそうにみえる。



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