Snow Men

2*小暮家にようこそ

横山は平雪音に関わるなと言ったけれど、僕は彼女のことが気になって仕方がなかった。

「1回だけでいいから会いたいな」

定期入れをカバンにつけると、僕は呟いた。

そう呟いたのは、平雪音が悪い子ではないからだと言う確信があったからだ。

横山は雪女だとか男喰いだとかって言って彼女のことをひどく嫌っているようだけど、僕はそう思えなかった。


大学に行くのは週に1回だけなので、それ以外は主にレコード店『アウト・ブルース』の店番をしていた。

「ヒマだな…」

最近はパソコンで音楽が聞けるようになったため、レコードを買いにくる客は若い人よりも年配の方が多いと言う感じだ。

まあ…僕も音楽は好きだし、子供の頃はレコードをよく聞いていたけれど。
< 20 / 80 >

この作品をシェア

pagetop