恋をしよう!

麗しの王女様-Masahito-

体育祭当日を迎えた。

今日は梅雨の中休みに入ったと言うこともあってか、青空がよく広がっていた。

「ただ今から第96回体育祭を始めます」

荻原のアナウンスから体育祭が始まった。

気のせいだけど、生徒たち――特に男子生徒たち――のテンションがいつもよりも高いような気がする。

「絶対に荻原さんにいいところを見せるぞ!」

「荻原さんに好きな人がいようがいまいが、かっこ悪いところは見せられない!」

…おいおい、体育祭を何だと思っているんだ?

楽しんでいると言えば楽しんでいる訳だけど…うーん、何だか違うような気がする。

そう思いながら、放送部のテントにいる荻原の方に視線を向けた。

体操服姿の荻原が椅子に座って、競技の実況をしていた。
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