恋をしよう!
先生がわたしのためにマフラーを選んでくれたのはもちろんのことだけど、これを手にレジへと持って行って、そのうえラッピングまで頼んだ先生の姿を想像したら何だかおかしくなってしまった。

「雅仁さん、大切に使いますね」

マフラーを見せたわたしに、
「僕も大切に使わせてもらうよ」

先生が言った。

2人で笑いあっていたら、後ろからクラクションが鳴った。

それまでわたしたちの前で止まっていた車はすでに先を行っていた。

「いつの間に…」

先生はそう呟いた後、車を前へと進めた。

「わたしたちがプレゼント交換をしている間、車は結構前へと進んでたみたいですね」

そう話しかけたわたしに、
「全く気づかなかったな」

先生は苦笑いをした。
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