恋愛成就
「表情がコロコロ変わるんだから本当に面白い」

「…」

「悩んでる顔、泣きそうになる顔、怒っている顔…色々ね。」

…恥ずかしい。
辛いとか、悩むとか…色々ね。
なんて顔してるんだろ。ありえない!
佐久間さんに見せたくない顔なのに。

「送っていってあげる。また、神社においで」

「はい」

今度は…もっと素直に答えたり、話せたらいいんだろうね。
佐久間さんを傷つけないようにしないと。

「な、七彩さん?」

…え?
あ…え、あ…。どうしてここに。

「愛麗、この子は?」

…一番会いたくない人。
震える手で佐久間さんの袖をきゅっと握った。

「七彩さん、なんで怖がるんです?」

…だって、コイツは私にとって最悪な人だから。
怖いし、近づきたくもない。
嫌だ。…さ、佐久間さん?

「ごめんね、誰か知らないけどさ。こいつ俺のだからさ。
ついてくるなよ。いいな」

手をぎゅっと握り、走る。
神社まで来た。そこで、

「これで、いいか。…で、誰なの?アイツ」

「…幼なじみ」

「あんな、敬語使ってて?へぇ。」

…幼馴染。だけど、そんな風に言いたくない
私を傷つける人だから
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