ブレスフル クリスマス
-14-
「あたし、アンタの最近の変化に気付いてんで!」

食堂で日替わりランチを食べてたら
まきちゃんが唐突に言った。

「え・・・?」
「なんかあったやろ!」
「なんでそんなん分かるん?」
私がそう言うと
向かいに座ってるまきちゃんが
クイッと私の後ろをあごで示した。

振り返るとそこには聡がおって・・・
こっちを見てたけど
向こうがパッと目を逸らした。

「今までは聡が周りにおったら、アンタが目ざとくすぐに気付いてたのに、最近、逆になってるねん」

あれ以降、聡のことなんか全然気にならんようになった。
完全に吹っ切れたみたい。
私には謙司さんと志穂さんみたいに
聡に“伝えるべきこと”なんてなかったんや。
謙司さんにぶちまけただけでスッキリしたわ。
謙司さんにはめっちゃ感謝してる。

「あたしの目はごまかされへんで!なにがあった!?さぁ、吐きっ!!」

特に隠してるつもりもなかったけど
謙司さんのこと、誰にも言ってなかったし・・・
ちょっともったいない気にもなった。

「あったゆうたらあったけど・・・」
「なによ!もったいぶらんと早よ言いや!」
まきちゃんがテーブル越しにお箸を突き付けてくる。
「はい!言います!!」
私、ぎょっとしてそう言ってた。
まきちゃんやったら、ホンマに刺しかねん・・・。
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