ブレスフル クリスマス
-16-
私が了解すると
聡はちょっと離れたところにある横断歩道を渡って
走ってこっちへ来た。
私たちは近くの公園に移動する。
謙司さんと出会う前の私やったら
絶対会えんかったな。

「こうやって話すの、久しぶりやな」
「そうやな・・・」

数ヶ月前まで
大好きやった聡の笑顔・・・。
今は不思議なくらいなんの感情も湧かない。
嫌悪感すら、ない。
大丈夫、ちゃんと吹っ切れた。

「どないしたん?こんな日にひとりなんて・・・いっつも絵梨と一緒やのに」
私がそう言うと
聡が真面目な顔で私に向き合う。
聡のこんな真面目な顔見たのは・・・
そう、1年前
コクってくれた時だけや。
『好きな子できた』って言われた時は
私の顔、全然見やんかったしな・・・。

「オマエ、こないだのヤツと付き合ってんのか?」
当然、謙司さんのことやんな。
「アンタには関係ないやん」
「そうか・・・」
「一体なんなん?」
私、ちょっとイラッとしてくる。

「オレ・・・絵梨と別れてきてん」

突然、思いもしないことを聞かされて
さすがに驚いた。
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