コント集「出産」
ゆみ「それで話って?」

中嶋「あぁ、あの二人には、お世話になってるからさ、やっぱり何か、出産祝い的なものを…」

ゆみ「金でいいんじゃない?」

中嶋「いや、金はちょっと…」

ゆみ「金でいいじゃん。金が一番喜ぶよ」

中嶋「いや、それはそうなんだけど…」

ゆみ「やっぱり最後は金でしょ」

中嶋「金って言うなよ」

ゆみ「え?」

中嶋「お金、って言えよ」

ゆみ「いいじゃん。どっちでも。金は金でしょ」

中嶋「なんか、品がないっていうかさぁ」


ゆみ、お茶をすする。


ゆみ「あ~、茶ァうまいね」

中嶋「だから、おを付けろっての」

ゆみ「何さ」

中嶋「とにかく、出産祝いは、お金じゃあまりにも芸がないしさ、それに3000円だと、3000円か~、ってなるけど、3000円の物、ってなると、3000円そのまま貰うより、なんか、価値あるっぽくない?」

ゆみ「そうかな、だいたい値段なんて想像つくけど…」

中嶋「つく?」

ゆみ「つくよ。3000円の物贈ったらさ、あ、3000円の物だなぁ、ってなるよ」

中嶋「そうなの。でも、いい!俺は何か物を贈りたいんだ!!お金じゃあまりにも芸が無さすぎる!」

ゆみ「芸とか無くていいと思うんだけど…分かったわよ」

中嶋「分かってくれたか」

ゆみ「だって、中嶋くんがそうしたいんだから、仕方ないじゃん」

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