リタイム ーre-timeー
第一章 天界
私は一度死んでいる______



なに、これは冗談ではない。
れっきとした事実だ。

私は確実に死んでいた。
いや、今も‥‥‥





_話は二週間前に遡る____





私はいわゆる"天国"という場所にいた。

交通事故で死んだらしい。


私の本来の姿は…
ロングの少しウェーブがかった髪で
背は少し高め。
顔は割とかわいいらしい。

ちなみに、名前は波瀬春。


性格は自他共に認める元気でポジティブな子………だった。




「ねねっ、聞いた!?あの噂!!」

「あ、聞いた聞いたー!」

「本当なのかなー。」


この頃、天国ではある噂でもちきりだった。

それは…


『天国にいる誰かが生き返れるかもしれない』


というものだった。

信じている人はたくさんいたが、
もちろん、信じていない人もいた。

私は後者だった。



しかし___


「波瀬春、下界刻19時に神堂へ来い。繰り返す……」


あるとき急に天国を管理しているという神堂から呼びたされた。

※天国では時間をはかれるものがないので、下界の時刻を使っている。


「えっ!!?私!!?」

私はこれを聞いた瞬間身震いした。


なぜなら、神堂は普通誰も立ち入ることのできない場所だった。
悪さをすれば地獄へ送られる…という噂も飛び交っていた。



「春ー!大丈夫!?なんかあったの!?」


この子は、
同じく交通事故で命を落とした向江美香子。

天国で年をとることはないが、
どうやら同い年で同じ時期に死んだらしく、
この場所で仲良くなった。


「美香子!
自分でもわかんないよ…どうしよう…。」



不安を抱えたまま、19時が迫っていた。
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